プラカンブログSTAFF BLOG

2017.12.26

2017年の良かった本

2017年も残りわずかとなりました(ブログ執筆時点)。今年は仕事でもいろいろありましたが、個人的にはマラソンの自己ベストタイムを更新できたことが大きなトピックでした。(新潟シティマラソン・3時間18分57秒)

さて今年もたくさんの本を読みましたが、年末恒例ということで、振り返って最も良かったものをここでご紹介したいと思います。(★の数は良かった度合で、1~5の5段階です。)

2017年 第1位

サピエンス全史『サピエンス全史(上・下)』ユヴァル・ノバ・ハラリ ★★★★★

堂々のNo.1は『サピエンス全史』です。アメトークの「読書芸人」の回でもカズレーザーさんが取り上げられていたようですが、この大作は実に読みごたえがありました。

人類(ホモ・サピエンス)の歴史を俯瞰的に見るという野心的な本なのですが、はっきり言って、歴史観が変わるぐらいの印象です。学校で習った歴史の教科書しか読んだことがないという人にはぜひおススメします。歴史というのはもっと大きく、もっと無秩序で、もっと面白いものです。

2位以下

蠅の王『蠅の王』ウィリアム・ゴールディング ★★★★

この本自体は1954年の本です。作者のウィリアム・ゴールディングという人はノーベル賞受賞作家です。たまたま僕がやっている読書会の課題だったので読んだのですが、とても印象に残りました。

少年たちが無人島に軟着陸して助け出されるまでの日々を描いた話なのですが、子供とはいえ(子供だからゆえ?)人間の「性(さが)」というものが鋭く、時に残酷に描かれています。いろいろと考えさせられる作品です。

応仁の乱『応仁の乱』呉座勇一 ★★★★

これもカズレーザーさんが取り上げた本ですが、ベストセラーとして話題にもなりました。

「応仁の乱」という多くの人が聞いたことはあるけど、詳しくは知らない。結局誰が勝ったんだっけ?というと誰も答えられないという、歴史のエアポケットみたいなところを、戦略的にも上手く突いた本だなと思いました。

またそれが、戦乱の舞台となる京都ではなく、奈良の高僧が書いた日記をもとにしているというところがより物語を重層的にしていて面白いところでもあります。結局誰が勝ったのかは、読んでみてのお楽しみです。

常呂遺跡の発見『常呂遺跡の発見』大西信武 ★★★★

去年、オホーツク網走マラソンに出場し、今年はサロマ湖ウルトラマラソンに出場した縁もあり、司馬遼太郎さんの『オホーツク街道』という本を読んだのですが、その中でこの大西さんが紹介されていて、随分昔の本なのですが、Amazonの中古で探して読みました。

大西さんという方は建築業など道内を転々としながらいろいろやられていた市井の方なのですが、たまたまオホーツク人の遺跡を発見し、その重大さを感じ取り、その保存と研究に大いなる貢献をされた方です。網走には他にも、床屋さんが発見して研究していたモヨロ遺跡という有名な遺跡もあったり、考古学というのはなかなか面白い学問だなぁと思いました。

羆撃ち『羆撃ち』久保俊治 ★★★★

これも北海道つながり。北海道日本ハムファイターズの栗山監督が新聞で好きな本として紹介していて興味を持った本です。自然の厳しさ、荘厳さ、美しさの中での野生動物との命のやりとり、アイヌ犬のフチと出会いと別れなどが、生き生きと描かれています。命ということ、生きる、食べるということ、フチの賢さと健気さに心が打たれます。

ジヴェルニーの食卓『ジヴェルニーの食卓』原田マハ ★★★★

原田マハさんはやっぱりアート関係の小説がいいと思います。この本は4つの短編が収録されていまずが、どれもしみじみとしていて実にいいです。今は美術館でしかお目にかかれないような巨匠たちも、当時はやっぱり普通の人間だったんだな~と思います。けれどもそれと同時に、そこには小さいけれど確実に、特別な人だけに与えられた特別な時間が存在して、それはもしかしたら、その人の作品以上に素敵なものだったのではないかという気がするぐらい素敵な話です。

『星の王子さま』読み比べ

あと、今年は「星の王子さま」を読み比べてみました。
一つのスタンダードなストーリーでも、ジャズのように訳者によって印象はずいぶん変わります。最初に浅岡訳を読んで、いくつか違和感を感じたところがあったので、他の人の訳を読みだしました。

内藤訳は古典的で今となっては分かりにくい言葉もありますが丁寧で好感が持てます。河野訳はとても自然で読みやすい。管訳は賛否両論あると思います。王子さまが自分のことを「おれ」と呼ぶのはこの本だけです。池澤訳は詩的な感じがありますが大きな印象は残りません。結果的に僕は倉橋訳が一番よかったのですが、倉橋さんは子供向けでもありつつ、実は大人に向けたメッセージが一番うまく結実しているのではないかと思いました。ちなみに倉橋さんは「ぼくを探しに」という大人向け自分探しの元祖みたいな有名な絵本の日本語訳をされている方です。

『星の王子さま』岩波文庫 内藤濯訳『星の王子さま』新潮文庫 河野万里子訳『星の王子さま』ゴマブックス 浅岡夢二訳『星の王子さま』角川文庫 菅啓次郎訳『星の王子さま』集英社文庫 池澤夏樹訳『新訳 星の王子さま』宝島社 倉橋由美子訳

『星の王子さま』岩波文庫 内藤濯訳 ★★★
『星の王子さま』新潮文庫 河野万里子訳 ★★★★
『星の王子さま』ゴマブックス 浅岡夢二訳 ★★★
『星の王子さま』角川文庫 菅啓次郎訳 ★★
『星の王子さま』集英社文庫 池澤夏樹訳 ★★★
『新訳 星の王子さま』宝島社 倉橋由美子訳 ★★★★

本を読む時間というのは僕にとってはこころ休まる至福の時間です。また2018年もいい本を探して世界を広げていきたいと思っています。

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木村

この記事は、KIMURA が書きました。