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2017.09.22

2017年上半期 良かった展覧会ベスト5

2017年上半期 良かった展覧会ベスト5

美術館やギャラリーに行くのが好きで、年間30~40本は見ている。単純にかっこいいものや美しいものが好きなのだが、上質なものやレベルの高いものを見続けることで、少しでも自分の引き出しを豊かにしたり、美的センスを養いたいという気持ちもある。今年も6月までに22本の展覧会に足を運んだので、今回はその中から★4つ以上のもの(自分用の記録として★5段階評価を付けている)をご紹介したい。(順番は行った順で、評価順ではない)

名和晃平「洸庭(こうてい)」
神勝寺 禅と庭のミュージアム(広島県)

禅と庭のミュージアム 洸庭

http://szmg.jp/explore/kohtei/

広島県福山市の少し山に入ったところにある神勝寺には、禅と庭のミュージアムという「大人のテーマパーク」とでも言えそうな広大な敷地があり、その中に「洸庭(こうてい)」という名の鑑賞空間がある。作家は現代美術界で有名な名和晃平。彼のインスタレーション作品がこの中に収蔵されている。というか、この建築物も込みで一つの作品となっている。中は暗闇。1回の作品鑑賞時間は約15分。ここで自分自身と向き合うような不思議な体験をするのだが、それはとても文章にするのが難しい。おそらく人それぞれ多様な受け取り方をするに違いない。僕自身はすごく乱暴に言ってしまうと、「死の温かみ」のようなことを強く感じていた。なかなか気軽に行ける場所ではないが、この作品も含めこの場所全体で精神がリセットされるような作用も感じたので、5年か10年に一度は行ってみたい。

久保圭一写真展
ニコンプラザ銀座(東京都)

久保圭一展

http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2017/01_ginza.html#02

久保圭一は和歌山県在住のカメラマンで、家業のかたわら地元で写真を撮っている。実は僕が以前勤めていた会社の部下だった。20年ぶりぐらいに案内ハガキをいただき、見に行ってみたら予想以上に(というと失礼だが)とても良かった。漁師やそこに住む者たちの日常が実に人間味豊かに表現されている。僕の持っている彼の印象は大人しくて静かな男だ。そんな彼が荒々しい海の男たちの中に入って、こういう自然な写真が撮れるということに驚いたし、感心した。知り合いだから贔屓目で見ているつもりはないが、東京都写真美術館に所蔵されていてもおかしくないような写真がたくさんあると思った。

海北友松(かいほうゆうしょう)展
京都国立博物館(京都府)

海北友末展

http://www.kyohaku.go.jp/jp/special/koremade/20170411_yusho.html

海北友松は桃山時代の画家で、実は僕も詳しく知らなかったのだが、今回初めて見て圧倒された。特に龍や孔雀のスケール感やパワーは素晴らしい。そうかと思えば晩年の静謐な作品も素晴らしく、画風の幅や自由さにも驚かされた。

ソール・ライター展
Bunkamura ザ・ミュージアム(東京都)

ソール・ライター展

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_saulleiter/

とても味のある写真たち。なんでもあえて消費期限切れのフィルムを使っていたそうだ。写真の良さとは、きれいに撮れていることや画素数などのスペックとは違うところにある。写真の良さとは、撮る人間の裸の姿が問われている。とそんなふうに改めて思わされる。

川端龍子展
山種美術館(東京都)

川端龍子展

http://www.yamatane-museum.jp/exh/2017/kawabata.html

この人のことも実はよく知らなかったのだが、これがまた素晴らしかった。いろいろ観ていくうちにどんどん(自分にとって)新しい作家に出会っていくことが面白い。川端龍子は日中戦争にも画家として従軍しているぐらいの近代の日本画家だ。見る者を圧倒させる大作の数々の中に、超繊細で美しい屏風絵があったりする。それがとても素晴らしい。優れた画家は皆そうだと思うが、繊細さと大胆さが同居している。

 

さて、今回5つの展覧会を紹介したのだが、他にも『世界を変えたレコード展』『熊谷守一展』なども印象深かった。みなさんがご覧になったものも中にはあったでしょうか。この夏大阪では『バベルの塔』や、東京ではジャコメッティなどもやっているので見に行きたいと思っている。みなさんもたまには知らない作家などの作品展にふらりと足を運んでみてはいかがでしょうか。

この記事は1年以上前の記事で内容が古くなっている場合があります。

木村

この記事は、KIMURA が書きました。