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2017.05.01

Web制作の歴史 第4回 「トレンドの変遷」

Web制作の歴史 トレンドの変遷

連載で続けてきた「Web制作の歴史」ですが、今回でいったん終了です。
最後は「トレンドの変遷」と題してまとめてみたいと思います。

前回は「ブラウザの変遷」ということで、約20年間のブラウザの栄枯盛衰を見てきました。ブラウザの違いによる表現の差異にWeb制作者はずっと泣かされてきました。同じようにWeb制作者がこの20年の間に、「泣かされた」というより「踊らされた(もしくは「自ら踊った」)」というものに「トレンド」があります。今となっては懐かしい言葉も多いのではないかと思いますが、僕が印象に残っている大きなトレンドを振り返ってみたいと思います。

iモード

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これは画期的でした。一つの時代を切り開いたと言ってもいいでしょう。iモードとはNTT DoCoMoが1999年に発表した、ガラケーで絵文字を使ったメールを送れたり、Webページを見ることができたりするサービスです。(もちろん当時はガラケーが最先端の携帯電話でしたので「ガラケー」などという屈辱的な名称はありません)

iモードの大ヒットにより、DDIセルラー(現au)やJ-Phone(現ソフトバンク)も同様のサービスを開始。Web制作の現場においても、パソコン用のサイトとは別に「iモード用サイト」を並行して作ることが一般的になりました。現在のスマホサイトのようなものです。

当時僕は、たまたまNTTドコモ関西(当時ドコモは各地域会社に分かれていました)のサイト制作の仕事をしていましたので、さっそく自分でもF501iという富士通製のiモード対応携帯を購入し、iモード紹介サイトや端末の紹介ページを作っていたことを思い出します。当時ドコモ本体では広末涼子がイメージキャラクターで、ドコモ関西は本上まなみでした。懐かしい!

Flash

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スティーブジョブズさんのおかげでついにほぼ駆逐され、最近ではすっかり見なくなったあの「Flash」は、1996年にアメリカのフューチャーウェーブという会社からリリースされた「FutureSplash Animator」というのが最初です。当時僕は「これはすごいかも」と思い、そのカニの絵が印象的なパッケージを買ってきてさっそく使っていました。(そのパッケージが残っていればいま自慢できるのですが、残念ながらありません)

ただ、「FutureSplash Animator」で画像検索すれば、時代や西海岸っぽさを感じさせるカニのパッケージをご覧になれますのでぜひ見てみてください(笑)

その後FutureSplashはすぐにマクロメディア社に買収され、その後アドビ社に買収されて今に至っていますが、驚くべきことに、その基本的なインターフェイスはFutureSplash時代から大きく変わることはなく、当時すでに基本は完成されていたということが分かります。

Flashが隆盛したのは1997年頃から最近までなので、長く続いたトレンドだと言えるでしょう。Flashはアニメーションからマルチメディア、スクリプトまでを扱える技術としてWeb制作の現場では多く利用され、リッチな表現のサイトを作る場合のスタンダードな技術となりました。
ちなみに、「Flash」という名前はマクロメディアが買収した際に「FutureSplash」の最初の「F」と最後の「lash」をくっつけて命名したのだそうです。

ウェブ標準(JIS X 8341)

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前回の記事でもご紹介したように1996年~2000年頃のブラウザ戦争時代、各社が勝手にブラウザの機能を拡張し、ウェブにおける仕様的な共通基盤が揺らいでいました。その反動もあり、Web業界では「どんなブラウザ、どんな環境でも最低限の情報はちゃんと伝えられるようにするべきだ」というような流れがおき、「Webアクセシビリティ」や「Webユーザビリティ」という概念が普及するようになってきました。日本でも自治体や大学などのサイトを中心に、アクセシビリティ、ユーザビリティを重視したサイト制作が広まっていきました。

2004年、Web制作における規格の標準化をすべく「JIS X 8341-3」というJIS規格が制定され、ウェブ標準の達成基準がある程度標準化されました。(この番号の8341は「やさしい」というゴロから命名されています)

現在は2010年に改訂された「JIS X 8341-3:2010」が標準規格となっており、今でも自治体のサイトなどではこの規格への達成基準を制作における指標の一つとしていることが多く、弊社でも多くのサイトでJIS対応を行っています。「ユニバーサルデザイン」や「バリアフリー」といった概念をウェブサイトに応用したものとも言えるでしょう。

Web 2.0

Chart Web 2.0

流行りましたね~。この頃のマーケティング系の記事や書籍ではなんでもかんでも「2.0」とか「3.0」とか勝手に付けていましたね。NTTドコモも一時期「ドコモ 2.0」とか、今となっては恥ずかしい感じのスローガンを掲げていました(その後 3.0、4.0…とバージョンアップした話は聞いていません)。今となっては何だったのだろうと思いますが、明確な定義はなく、ぼんやりとした概念だったことが逆に何にでもあてはめられる汎用性をもっていたといえるでしょう。おそらく多くの人は元々の意味はあまり考えずに、「2.0」という「1.0」よりバージョンアップした感じの響きとストレートな簡潔さをかっこいいと思って使っていただけだと思います。

Wikiによると、ティム・オライリーが提唱した初期の定義は『旧来は情報の送り手と受け手が固定され送り手から受け手への一方的な流れであった状態が、送り手と受け手が流動化し誰でもがウェブを通して情報を発信できるように変化したウェブを「Web 2.0 」とする』ということらしいです。この頃ウェブは次の段階へ一歩進んだという感じでしょうか。この言葉が流行したのは2005年~2007年頃なので、意外なことに日本でTwitterやFacebookが普及し始める2008年頃より前なのですね。この当時、ユーザーからの情報発信メディアとしては、「mixi」「GREE」「アメブロ」といったものがありました。

セカンドライフ

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2006年~2007年頃に突然流行り、一般のニュースなどでも多く取り上げられるほどに盛り上がり、あっという間に終息しました。最近Web業界に入ってきた若い人などは知らない人もいるかもしれません。

「セカンドライフ」というのは、アメリカのリンデンラボ社がインターネット上に構築した3D仮想空間です。ユーザーは「アバター」と呼ばれる自分の仮想キャラクターを操り、仮想空間上で自由に行動できます。その空間上には3Dで街やコミュニティが構築され、アバター同士はチャットなどでコミュニケーションできました。僕も当初はよくわからないままにその空間に入ってみて、いきなり知らない人(多くは日本人以外)から話しかけられドギマギしたことを覚えています。その仮想空間上では企業が広告活動などを行うこともできたので、日本のいくつかの大企業も参入しました。

ただ問題点は「とにかく重い」ということで、当時のパソコンスペックやネット回線では膨大なデータ量になる3D空間はとても「自由に」歩き回るようなものではなく、すぐにパソコンが落ちたり固まったりして気持ちよく使えるものではありませんでした。完全に話題先行型でした。結局それがどんなに目新しくても、使いにくいものは普及しないということです。まぁ、聡明な人はこれはダメだろうと最初から分かっていたと思いますが。

とはいえ、今回調べてみるとなんとセカンドライフは終わっておらず、まだありました! しかも2007年で止まっているのではなく、サイトは今風ですらあります。もしかしたら、昨今のAR/VR技術と融合しつつ、新しい展開を見せるのかもしれません。そのときはもちろん「Second Life 2.0」ということになるのでしょう(笑)

セカンドライフ

おわりに

4回に渡り、Webの仕事を始めだした1995年からの約20年を振り返ってみましたがいかがだったでしょうか。僕を含めたウェブ第一世代のオジサン・オバサンたちには懐かしい話として、いま現役のウェブデザイナーや、クライアントの発注担当者さんなどには逆に新しい話として、こういうこともあったんだなあと興味を持ってもらえるとうれしいと思います。

さて、次の20年。これからのWebはどうなるのでしょうか。ますますクラウド化、AI化が進んでいくと思われますが、僕には予測不可能です。それは20年前とまったく変わりません。

この記事は、KIMURA が書きました。
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