プラカンブログSTAFF BLOG

2017.01.05

2016年の良かった本

2016年も残りわずかとなりました(ブログ執筆時点)。この時期になるとFacebookなどでは自分の一年を振り返るムービーを勝手に生成したりしますが、それを見て「今年も走ってるかライブ行ってるかのどっちかやな」と苦笑しているKIMURAです。

さて、今回はインターネットの歴史シリーズを1回お休みしまして、一年を振り返って2016年に読んだ本の中から良かったものをいくつかご紹介したいと思います。

ここ数年は、一年間にだいたい50~60冊ペースで本を読んでいたのですが、今年は結構忙しかったので(仕事がですよ!)40冊ほどしか読めませんでした。今年の傾向としては、AI(人工知能)関連の本が多く、そのぶん宇宙や歴史の本が少なかったです(ここに紹介していないだけで読んではいるのですが)。

(★の数は良かった度合で、1~5の5段階です。)

AI(人工知能)関連

AIの衝撃

今年は囲碁の世界で人間がAIに負けたりしたこともあり、本当にAIの1年だったと思います。AIというのは今までもずっとあったのですが、今年になってなぜ急に本気で考え出したかというと「ディープラーニング」という技術が登場してきたからです。僕がまず興味を持ったのは最初の本のタイトル通りに、このままAIが進歩していけば人間にとってそれはプラスになるのかマイナスになるのか、ということです。その次に興味があったのは、僕たちの社会や仕事はどうなるのか。仕事がもし激減するようなことになれば税金はどこから集めるのか、国や地方自治体という制度は維持できるのか、社会はどうなってしまうのか、うちの会社はどうなるのか、その社会でサバイバルしていくためには個人も会社も何が必要になってくるのか、というようなことです。

最近は少し落ち着いてきた感のあるAIに関する世の中の反応ですが、しかし今も加速度的に進化を続け、決して止まったり後戻りすることはないはずです。この先もずっとリスクと希望が混在していくでしょう。どうなるかわからないのは、AIがAIを作り出した瞬間です。いやはや、この話はキリがないのでこのあたりで止めておきますが、引き続き注視していく必要があると思っています。

ちなみにこの中にある『AIの遺電子』の作者は弊社東京事務所のデザイナー、SUZUKIくんの友人だそうです。それで教えてもらって読んだのですが、お世辞抜きにいいコミックで、AIに対する恐怖心が和らぎ、人間的な一面が見えてきて未来社会のイメージが少し広がります。

生命科学関連

ゲノム編集とは何か「遺伝子のメス」クリスパーの衝撃

生命科学関連の本も好きでよく読みますが、前述のディープラーニングと同様に衝撃的だったのが1冊目の「クリスパー」というゲノム編集の新しい技術です。人類の歴史は「まず技術ありき」の歴史だと思っているのですが、これもやはりそれを感じさせるテクノロジーです。先ほどのAIが主にコンピュータを使った情報技術の革新だとすると、こちらは遺伝子(ゲノム)を使った肉体の革新です。そしてこの両者はいっけん別世界のように見えますが、実がゴールが共通しているのではないかという予感がしています。

2冊目、3冊目のウィルスと意識の本も非常に面白かった。扱っているものは違いますが、どちらも「境界」というものが一つのテーマになっています。実は生物とウィルスと物質の境界はあいまいである。意識と無意識とその中間の形態の境界も実に曖昧である。人間はとかく白黒はっきりさせたがる生き物かもしれませんが、実際の世界というものはほとんど白黒なんてない世界なんですね。

社会科学関連

1493――世界を変えた大陸間の「交換」

『1493』は800ページを超す大作でしたが、今年最も印象に残った本のうちの1冊です。義務教育レベルの表面的な世界史にはないリアルで意外な歴史の姿がとてもエキサイティング。植物や病原菌や動物たちの「交換」という視点で人類史を捉えた一冊。

『死すべき定め』は、終末期の医療や介護の在り方をテーマにしたアメリカの現役医師が書いた本です。どこの国でも最期をどう過ごすか、過ごせるようにするか、というのはなかなかうまくいかない難しい問題でアメリカでも実際そのようですが、いくつかの重要な示唆や可能性があり、希望が見えてきます。文学とは違う手法で、人生とは何かということを表現したすばらしい本だと思います。

小説

にぎやかな湾に背負われた船銀二貫

最後は小説をいくつか紹介します。
『にぎやかな湾に背負われた船』はうまく説明ができません。不思議な世界なのですが、現実的ないまの日本でもあります。梨木果歩の別形態という気がしなくもない。独特の世界観にとても引き込まれていきます。
『銀二貫』のほうは、もうまったく明快にいい話です!気持ちのいい涙があふれてきます。実にあっぱれです。

他にも『戦艦武蔵』は読んで良かった本。大作ですが、一生のうちに一度は読んでおいたほうがいい本だという気がします。『すかたん』も『銀二貫』と同じく「大阪の本屋と問屋が選んだほんまに読んでほしい本」に選ばれた小説で、大阪の昔の地名や地元の食材がたくさんでてきて実に愉しい。これも気持ちのいいあっぱれな本です。最後の『伊豆の踊子』は実はまだ読んだことがなかったので、『雪国』を再読した勢いで読んでみました。やはり名作と言われ後世に残っている作品はそれだけの力があります。読んでみるもんだなと思いました。いや、読んでおくべきだなと思いました。

以上が今年読んで良かった本です。来年もまたいろんな分野の世界に触れて、機会があればぜひ紹介していきたいと思っています。

この記事は、KIMURA が書きました。
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