プラカンブログSTAFF BLOG

2015.09.15

「ドーピングはあかん」の巻

doping

システムのまついです。

私はロードバイクで激坂を登ったり(ヒルクライム)するのですが、心臓バクバク、呼吸も苦しく、足がツリそうになったりして頂上にたどり着きます。

もし、息がみだれなかったら、
もし、足が疲れなかったら、

もっと遠くへ、もっと速く、もっと険しい激坂に挑戦ができて、楽しさこの上ないと思うのですが、それは幻想です。

しかし、しかしです。
おやじでもがんばれちゃう魔法があります。
それはドーピングです。
ウィキペディアでは、「ドーピングとは、スポーツなどの競技で運動能力を向上させるために、薬物を使用したり物理的方法を採ること、及びそれらを隠ぺいしたりする行為。」と説明されています。

サイクルロードレースの歴史を調べますと発祥当時からクリーンではなかったそうです。ウィキペディアによりますと、「1886年ボルドーパリ間の600km自転車レースでイギリスの選手がオーナーから投与のトリメチルの過剰摂取により死亡、近代スポーツ初の死者となった。」とあります。

毎年7月にツール・ド・フランスという自転車競技の最高峰のレースが開催されます。
1日にして、山あり、谷ありの道を平均40km/hぐらいの速度で数時間、距離にして150キロメートル以上を21日間(合計3300km前後)、毎日走り続けて、その合計タイムで総合優勝を狙う過酷なプロレースです。
ランス・アームストロング選手(現在43歳)は1999年から2005年にかけてツール・ド・フランスを7連覇しましたが、後にドービングをしていた事が発覚し、全タイトルの剥奪と、トライアスロンを含む自転車競技からの永久追放という厳しい処分を受けました。
(アイキャッチ画像にもある通り、記録からも抹消されました。ウィキペディア引用)
現在も、自転車競技では、ドーピングがランス・アームストロング選手のように厳しい処罰を受けることを知っているにもかかわらず間違いを犯す選手が後を絶たないのは非常に残念なことです。

なぜ、これほどまで自転車競技がドーピングとの関わりが強いのでしょうか?
答えは簡単です、フィジカル的にきついからです。
フィジカルへの負荷にどれだけ長く耐えられるかで勝敗が決まるからです。
先日、室内のトラックを1時間に単独でどれだけの距離を走れるかを競うレースで、54.526kmという世界新記録が出ました。
自転車で平均54Km/hで1時間走り続けるというレースです。ブラッドリー・ウィギンス選手は「人生で出産の痛みに最も近い感覚を味わった。ただの拷問だ」と振り返っています。

さて、高地トレーニングというのがありますが、これは何を鍛えているのか知っていますか。空気が薄い環境でトレーニングすると心肺機能が鍛えられると思っていましたがそうではありません。
高地トレーニングの目的は、赤血球数を増やすためです。

高地は酸素濃度が薄いので、血中の酸素濃度が低下します。
血中の酸素濃度が低下するとエリスロポエチンという赤血球を増やす物質が増加するので、その結果赤血球数が増加します。
赤血球は酸素を全身に運ぶ働きをしているので、例えば、口を閉じたまま100メートルを全力疾走しても息が上がらないという事が出来てしまいます。
このようなベストコンディションで競技に出れば、いい結果が期待できるという事です。
選手はこのような理由で高地でトレーニングするのです。
これはドーピングではありません。
高地トレーニングと同じ効果を得るために酸素量を調整できるトレーニング施設がありますが、ドーピングではないとされています。
私は、身体を環境に順応させる方法が自然に行なわれるのであれば合法だと思います。

しかしながら、ツール・ド・フランスは21日間の長期の競技ですので高地トレーニングの効果も持続しないのでしょう。
それならばということで高地トレーニングよりずっと効果的な方法を選手は選択しました。
「血液ドーピング」です。
血液ドーピングとは、あらかじめ自分の血液を採血保存しておき、赤血球を医学的に増加させ(この行為がドーピングとされるのでしょう)、競技直前にその血液を自分へ輸血するのです。

正直こんなことまでするのか?と思いますが、厳しいプロの世界では発覚したときの罰則や自身の健康を犠牲にしてでもドーピングをしてしまうのでしょう。
背に腹は代えられないのかもしれません。

ツール・ド・フランスを開催する国際自転車競技連合(UCI)はもちろん、日本国内の全日本自転車競技選手権大会ロード・レース を開催する公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)もドーピング問題を重視している。
JCFは日本自転車競技選手権大会で競技に参加した全員に例外なくドーピング検査を強制的に行っています。選手は当然の事として進んでドーピング検査を受けてほしいし、検査を全レースで継続的に行う事でドーピングへの意識も変わってくると思います。特にジュニア選手は早い段階からドーピングのないクリーンな環境で経験を積み世界を目指してほしいと思います。

最後に、自身のドーピング的関わりについてです。
私の若い頃の事ですが、当時のシステムエンジニアは残業が多く、300時間超とかも珍しくはありませんでした。
今のご時世ではありえない事ですが、当時は私だけではなく、周囲がみんなそうでしたので続けられたのだと思います。
私の先輩に実際に起こった事ですが、この先輩は順調に開発が進まなくて徹夜が続いていたのですが、なんと目を開いたまま(子供によくある目を半開きで寝ている状態とは明らかに違いました)気絶していました。
おどろきました。
朝「おはようございます」と目を見て先輩にあいさつしたのですが無反応だったので、肩を叩いたら「ハッ」と気が付きました。

このような業務に耐えるには「ユンケル」と「オールP」です。
「ユンケル」はご存知だと思いますが、「オールP」は深夜タクシーや長距離トラックの運転手が愛用しているものです。茶色いガラス製のアンプルで首の細くなったところを手で折って細かいストローで飲むのです。
いかにも薬をやっているという退廃感が満ち満ちていますが、これは本気で眠気を乗り切る行為でした。

この行為の動機は間違いなくドーピングとつながりますね。

もし当時、業務で「ユンケル」と「オールP」の服用を禁止されていたらどうしたでしょうか。自転車競技の選手のようにフィジカル的にキツイわけではありませんが、私に限らず多くのエンジニアは、それでも「ユンケル」と「オールP」の服用をやめなかったでしょう。

私にもこのような経験があったのです。

この記事は、MATUI が書きました。